基礎ひび割れの補修工法を比較|Uカットシール・樹脂注入・繊維補強
基礎のひび割れの補修工法は、細いひび割れなら樹脂注入やUカットシール工法(1箇所あたり約1〜2万円)、幅0.3mm以上や基礎の強さが心配な場合は繊維シートによる補強(1mあたり約2〜3万円)が一般的な選び方です。工法は、ひび割れの幅と原因で決めます。
この記事は、JSHI公認ホームインスペクターが在籍する一心建設が、自社の工法と施工事例をもとにまとめています。

基礎のひび割れ補修は「埋める」と「補強する」の2系統
基礎のひび割れへの対応は、大きく2つに分かれます。
1つは、ひび割れを樹脂やシール材で埋めて、水や空気が入らないようにする「補修」です。もう1つは、繊維シートやコンクリートで基礎を包み、強さを取り戻す「補強」です。
埋める補修は費用を抑えられますが、基礎そのものの強さは戻りません。ひび割れが広がっている、本数が多い、という場合は補強まで考えます。
主な工法の比較表
| 工法 | やり方 | 向いているひび割れ | 費用の目安 | 工期の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 表面被覆(シール) | ひび割れの表面に補修材を塗る | 幅0.2mm程度までのごく細いもの | 1箇所あたり約1〜2万円 | 半日〜1日 |
| 樹脂注入工法 | ひび割れの奥までエポキシ樹脂を低い圧力で注入する | 幅0.2〜1.0mm程度で、動きが止まっているもの | 1箇所あたり約1〜2万円 | 半日〜1日 |
| Uカットシール工法 | ひび割れをU字に削り、シール材や樹脂を詰める | 幅0.5mm程度以上や、動きがあるもの | 1箇所あたり約1〜2万円 | 半日〜1日 |
| 繊維シート補強 | アラミド繊維や炭素繊維のシートを樹脂で貼る | 幅0.3mm以上、本数が多い、換気口まわりの割れ | 1mあたり約2〜3万円 | 1〜3日 |
| 基礎の増し打ち | 既存の基礎に鉄筋コンクリートを抱き合わせる | 鉄筋のない基礎の本格的な補強 | 1mあたり約6〜8万円 | 数週間〜 |
※費用は複数の専門業者の公開価格をもとにした一般的な目安です。ひび割れの幅の区分は工法の一般的な使い分けで、実際は現地の状態を見て決めます。
工法は「幅」と「原因」で選ぶ

工法選びの出発点は、ひび割れの幅です。国土交通省の技術的基準では、基礎のひび割れの幅0.3mm未満は構造上の不具合の可能性が「低い」、0.3mm以上0.5mm未満は「一定程度ある」、0.5mm以上や錆汁を伴うものは「高い」と整理されています(国土交通省「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」)。
幅が細く、乾燥による縮みが原因のひび割れなら、埋める補修で十分なことが多いものです。一方で、地震や地盤の動き、鉄筋の錆が原因のひび割れは、埋めても再び割れることがあります。この場合は繊維シートで基礎を包む補強を検討します。
ひび割れの幅の測り方や、すぐに相談したほうがいいサインは「家の基礎のひび割れは危険?幅0.3mmが目安の見分け方」で解説しています。
Uカットシール工法と樹脂注入工法の違い
どちらもひび割れを埋める工法ですが、向いているひび割れが違います。
樹脂注入工法は、ひび割れに座金と呼ばれる注入口を取り付け、エポキシ樹脂を低い圧力でゆっくり入れていきます。細いひび割れの奥まで樹脂が届き、コンクリートを一体に戻せるのが特長です。
Uカットシール工法は、ひび割れに沿ってコンクリートをU字型に削り、溝にシール材や樹脂を詰めます。幅が広いひび割れや、温度の変化で少し動くひび割れに向いています。削る作業があるぶん、跡が目立ちやすくなります。


一心建設のハイブリッド工法|埋めてから補強する
一心建設では、ひび割れを埋める補修と、繊維シートによる補強を組み合わせた「ハイブリッド工法」で施工しています。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| ひび割れの補修 | エポキシ樹脂の注入、コーキング処理でひび割れを埋める |
| 繊維シートで補強 | ソリッドリメイン(アラミド繊維シートをエポキシ樹脂でコンクリートに接着)で基礎を包む |
| 表面の保護 | NEWタフロン(カーボンファイバーなどを練り込んだエポキシ樹脂)で仕上げ、中性化を抑える |
ソリッドリメインは、高速道路や橋脚などの公共工事で使われている繊維補強の技術を、住宅の基礎に応用した工法です。従来の増し打ちや鋼板を巻く工法に比べ、工費を抑えて短い工期で施工できます。

価格は通常27,000円〜/mです。WEB限定キャンペーンの価格はページ下部でご確認ください。工期は1〜3日程度が中心で、施工後は10年保証が付きます。長さ別の総額の計算例は「基礎のひび割れ補修の費用相場」をご覧ください。

施工事例:ひび割れの補修から繊維シート補強まで
八王子市 NA邸(木造2階建て・築19年)
ダイニングの下の基礎にひび割れがありました。エポキシ樹脂の注入とコーキング処理でひび割れを補修し、アラミド繊維シートを貼って補強しています。


詳しくは八王子市NA邸の施工事例をご覧ください。
川崎市 MY邸(木造2階建て・築19年)
基礎のクラック補修を行い、NEWタフロンで基礎を強化しました。工期は3日間、2名で施工しています。



詳しくは川崎市MY邸の施工事例をご覧ください。
ほかの事例は施工実績の一覧で紹介しています。
よくある質問
Q. Uカットシール工法の単価はいくらですか?
A. ひび割れ1箇所あたり約1〜2万円が一般的な目安です。ひび割れの長さや本数、作業のしやすさで変わります。
Q. 樹脂注入だけで直りますか?
A. 細いひび割れで、原因が乾燥による縮みなら、樹脂注入で十分なことが多いです。ひび割れが広がっている場合や本数が多い場合は、繊維シートによる補強もあわせて検討します。
Q. 自分でコーキングを詰めても大丈夫ですか?
A. 表面を埋めれば雨水の侵入は抑えられますが、基礎の強さは戻りません。幅0.3mm以上のひび割れは、埋める前に専門家に原因を見てもらってください。
Q. 補修の跡は目立ちますか?
A. Uカットシール工法は溝を削るため跡が残りやすい工法です。一心建設のハイブリッド工法は、仕上げにNEWタフロンで表面を整えます。
まとめ:細いひび割れは埋める、広がるひび割れは補強する
細いひび割れは樹脂注入やUカットシール工法で埋め、幅0.3mm以上や広がっているひび割れは繊維シートで補強するのが基本です。どの工法が合うかは、ひび割れの幅と原因を見て決めます。
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